ダメ人間の完全体
『毎日酒を好きな量、好きな時に飲みたい』
そんな欲求に駆られた。
難しい話ではなかった。
僕は東京生まれ東京育ちだが、就職を機に一人暮らしを始めていた。
家族に酒の事でなんだかんだ言われることもない。
それに会社を辞め今はフリーターの身だ。
所詮バイト。
朝起きてビールを飲む。ひたすら飲む。
ちょっとお腹を満たしてから酒を飲んで仕事に向かうようになった。
バイト先の先輩に「酒臭いな~・・・まあいいけど」と言われたりしたが怒られることはなかった。
調子に乗って酔っぱらいながらバイトをして暮らしていた。
人手不足のためかバイトをクビになることはなかった。
もちろん家に帰ったら晩酌だ。
友達とも率先的に飲みに行った。毎回浴びるほど飲んだ。
もはや身体も思考もアルコール漬けになっていた。
稼いだお金も家賃や光熱費等以外は全て酒へ消えていった。
最低だ。